2016年03月05日

【高校受験コラム】平成28年度神奈川県公立高校入試を振り返って

2月29日(月)、今年度の神奈川県公立高校入試の合格発表が行われました。
同時に、神奈川県教育委員会からも結果が公表されています。
今日は、この結果から入試を振り返ってみたいと思います。

まず目につくのは、各高校での「倍率の上昇」です。
川崎地区の主な公立高校について、3年間の倍率を比較してみたいと思います。

     2016年度  2015年度  2014年度
※多摩   1.54倍   1.59倍   1.39倍
※生田   1.26倍   1.18倍   1.31倍
※新城   1.37倍   1.46倍   1.16倍
※住吉   1.35倍   1.13倍   1.30倍
麻生    1.07倍   1.00倍   1.00倍
百合丘   1.14倍   1.12倍   1.02倍
生田東   1.08倍   1.19倍   1.04倍
川崎北   1.21倍   1.18倍   1.08倍
菅     1.07倍   1.09倍   1.03倍

※市立橘  1.44倍   1.23倍   1.48倍
市立高津  1.31倍   1.00倍   1.11倍
市立川崎  1.30倍   1.01倍   1.22倍

注目点は、※印のついた多摩・生田・新城・住吉・市立橘の倍率です。
他の高校と比べ、3年間とも高い倍率で推移しています。
安易に妥協せず、上位の公立高校に挑戦する雰囲気が生まれてきていることが窺えます。
それに伴い、公立高校の入試でも多くの不合格者が出るようになりました。
今年度の多摩・生田・新城・住吉・市立橘の合格者数・不合格者数をまとめてみたいと思います。

     合格者数  不合格者数
多摩     277名     150名
生田     319名     84名
新城     267名     98名
住吉     358名     124名
市立橘    198名     88名

どの学校でも、100名前後の不合格者が出ていることがわかります。
公立は1回しかチャンスはなく、選べる学校も1校のみです。
学力検査も難化の一途をたどり、当日確実に得点できる保証はありません。
「神奈川方式」と呼ばれた昔の選考方式であれば『公立のみの受験』も可能でした。
ですが、今の選考方式での『公立のみの受験』は、大変に危険な『賭』です。
合格を事前に確約したいならば、妥協をして下位あるいは通信制の公立高校を受験せざるを得ないでしょう。

それでは、公立高校を目指す生徒は何を心がければ良いのでしょうか。
まずは、日々の中学校での学習をしっかりとこなし、出来るだけ高い内申を確保することです。
特に、公立高校を受験する場合には、中2後期の内申が評価対象になることは要注意です。
例年、この内申が低く、志望校を下げざるを得ない生徒が少なからず存在します。
逆に言うと、ここで高い内申を確保できれば、希望の公立高校に進学できる可能性が高まります。

次に、難化した学力検査に対応するために、早い段階から入試に向けて勉強を進めることです。
特に、理科はここ数年で極端に難化し、今では全国トップクラスの難度となっています。
この理科に対応するためには、中3の直前期だけの勉強だけでは不十分です。
中1・中2の早いうちから、入試を意識した理科の学力を養成していくことが必要不可欠でしょう。
その他の科目も、ここ数年で難化し、付け焼き刃の学力では十分な点数の確保が難しくなっています。
それに伴い、上位校を中心に、学力検査で内申のハンデを覆し合格するケースが増えてきています。
内申に目が向き過ぎ、学力を養うことを怠れば、手痛いしっぺ返しを受けることになるでしょう。

当たり前の結論かもしれませんが、中学校での学習も、塾での学習も、区別なく真剣に取り組むことです。
『急がば回れ』ではありませんが、これこそ志望校合格への一本道になるでしょう。


posted by 登戸教室 曽良 at 17:01 | TrackBack(0) | 高校受験コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする